若林隆久@経営×教育×地域×育児

高崎経済大学地域政策学部准教授の若林隆久のページです。経営学、組織論、ネットワーク論を専門とする研究者・大学教員が、研究、教育、学内外での活動、本・論文、地域、子育て、などについて書いていきます。

2021年度 後期第10回 若林ゼミ

今回から、本格的に『組織行動:組織の中の人間行動を探る』(鈴木竜太・服部泰宏著、有斐閣、2019年)の輪読・ディスカッションを行っていきます。今回は第7章「マネジャーの仕事:モチベーション論とリーダーの行動」第8章「組織を動かすリーダー:変革型・カリスマ型リーダーシップ」を取り扱います。

いわゆる教科書ですが、わかりやすくしっかりと書かれていることもあってか、評判はなかなか良さそうです。また、ゼミ生による司会進行、ディスカッション、グループワークなどもかなり活発かつ工夫のあるものになってきました。

1. チェックイン:「共感(Empathy)と同情(Sympathy)」

事前課題としてBrené Brown on Empathyを見た上で、共感(Empathy)と同情(Sympathy)のそれぞれだと思う自分の経験について書いてきてもらった上で、自分の経験も振り返りながら話し合いました。

共感の4要素①他者が見るように世界を見る②判断しない相手の感情を理解する④その理解を伝える)をもとに、全体で共感と同情の要素や定義について考えました。ゼミ生のリアぺにも書いてありましたが、言葉の意味を各自が自分なりの言葉で表現することで、理解が深まったり各自のとらえ方の違いが浮き彫りになったりします。その後、グループで、経験を共有しながら、なぜ共感・同情できたのか(できなかったのか)、なぜ共感・同情された(されなかった)と感じたのか、もっとこうすればよかった(もっとこうして欲しかった)などについて話し合いました。

話し合いも受けて共感については、下記のような点が重要かなと思いました。

  • みんな異なっているので簡単には分かり合えないという前提
  • 同時に同じ場所で同じ経験をしている場合は共感しやすいように思えるが、同時に同じ場所で同じ経験をしていても実は異なる感じ方をしているかもしれない
  • 同じ経験をしていなくても共感できるかもしれない
  • 共感することが常に良いわけでもなく、デメリットもありえる

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2. 今日のリーダーシップ行動目標の設定

ピックアップ:「リーダーシップを発揮する」

少し抽象的な目標で具体的に何をするのかが想像しづらい(評価やフィードバックもしづらい)かもしれません。
今回のテキストの該当部分を踏まえると、どのようなスタイルのリーダーシップを発揮するか(そのうちのどの要素を発揮するかでもOK)ということを通じて精緻化ができそうです。他のものでもそうですが、理論を学ぶことによってその概念について理解が深まったり、具体化して行動に落とし込めたりします。

ピックアップ:「やる気を表現する」

ゼミ外でのフィードバックを受けて設定された目標です。
「やる気を表現する」といっても、発言の内容・回数・タイミングはもちろん、声の大小・高低・スピード、姿勢、表情、動きなどの非言語的なものもあるので、表現する方法は実はたくさんありそうです。
グループワークや話し合いを始める時に「よし、よるぞ」とか言ってみるのもいいかもしれませんし、短い発言にして回数を増やしてみたり、あいづちなどのリアクションを積極的に取ってみたり、前向きな発言内容を増やしたり、などなど、時間を取ってみんなで挙げてみると様々なアイディアがありそうです。

3. 今週1週間で発揮したリーダーシップ

4. 輪読・ディスカッション

第7章「マネジャーの仕事:モチベーション論とリーダーの行動」第8章「組織を動かすリーダー:変革型・カリスマ型リーダーシップ」を取り扱いました。リーダーシップに関する理論を学ぶことで、知識面も実践面もレベルアップすることが期待できます。

第8章については156ページのSituation Pazzleについて議論し、第7章については「①自分が目標を達成できた経験と②その経験においてどんなリーダーシップが発揮されていたか(指示型、支援型、達成志向型、参加型)」という内容を話し合いました。

ワーク、エクササイズ、章末の設問などが用意されていないテキストですが、問題なく上手に輪読・ディスカッションが行われました。

5. 商品企画・サービス企画(ウェブサイト、動画配信、LINEスタンプ・商品開発)

メンバー内で役割分担をしたり、人数が多いグループはさらに小さなグループに分けたり、といった工夫を加えることで、さらに活発に活動が行われているようです(このあたりは経営学・組織論のテーマでもありますね)。動画の撮影も複数の場所で行われ、キャンパス内のどこに誰がいるかよくわからない状態です。

行動や問題解決も大事ですが、一方でチームの関係性やプロセスを良くしたり学習を促進したりすることも重要です。そんなわけで、成果物もグループ・ゼミといったチームもさらに良いものにするために、次回からアクションラーニング(質問会議)を実施していきます。

6. 振り返り・フィードバック

7. チェックアウト