若林隆久@経営×教育×地域×育児

高崎経済大学地域政策学部准教授の若林隆久のページです。経営学、組織論、ネットワーク論を専門とする研究者・大学教員が、研究、教育、学内外での活動、本・論文、地域、子育て、などについて書いていきます。

ゼミ選択マニュアル

ゼミ選択ってどうすればいいの?ゼミって言われてもよくわかんないし…。

人生で初めてのことなので、こう思うのも当然かなと思います。
こうすればゼミ選びがうまくいくという正解もありません。
とはいえ、基本的におさえるべき情報や注意点、あるいは、こうしておいた方が良いということもありますので、そのあたりを紹介します(2021年4月29日更新)。

なるべくどこでも通用するようなものを心がけましたが、2年後期から4年前期まで続く必修のゼミを、2年前期に選択するということを念頭に置いています。選択であると、少し力点が変わるかもしれません。
また、あくまで執筆者個人の認識や考えに基づいていますので、書いている内容を利用する際はあくまで自己責任でお願いします。もちろん、実際に希望するゼミが発信している情報があれば、それに従ってください。

ゼミ選択の基準

ゼミ選択の基準は下記のようなものが代表的かと思います。
1専門分野が重要なのは当たり前として、2~4が結構重要なので吟味してくださいというのが私の主張です。
5は人それぞれでしょうが、あまりにも活動が乏しいゼミだと何のために入るのかという気がします。
6は現実的に選択に大きな影響を与えますが、7があまり意識しなくていいのではと思っています。

  1. 専門分野(学びたいこと)
  2. 形式(学び方)
  3. 教員(相性含む)
  4. ゼミ全体の雰囲気(ゼミ生の雰囲気)
  5. 活動の活発さ(忙しさ)
  6. 曜限
  7. 学科

注意点:ゼミ選びの落とし穴

最初に一定割合の学生が陥りがちな注意点・落とし穴を指摘しておきます。

(1)普通の講義とは異なる

これが普通の講義とは違ってわざわざ「ゼミ選択」として強調される理由でもあります。
制度上は同じ講義・単位ではあるのですが、普通の講義とは大きく異なります。
専門分野が様々なだけでなく、同じ専門分野だとしても内容・形式(学び方)がゼミごとに大きく異なります。

加えて、

  • 2年半継続し所属する感覚がある(ある意味、部活やサークルに近い)
  • 時間割上の時間に縛られないこともあり、課外活動もあることが多い(合宿やフィールドワークが代表的)
  • 少人数で積極的な参加が求められる(多かれ少なかれ参加型のことが多い)

必修で変更不可能なことを加味すると、よく知らないでゼミを選んでしまうと痛い目を見ることは想像に難くありません。
ですから、「ゼミ選択」が重要だと言われるのです。

(2)昨年度の倍率を参考にする

1つ上の学年から聞いた昨年度の倍率を絶対のものとみなす人が多いです。
しかし、それなりの期間のゼミ倍率を観察してきた身からすれば、それは大きな誤りです。

というのも、倍率が安定しているゼミは稀で(それでもある年度に突然暴落・高騰することがあります)、多くのゼミの倍率は1年ごとに乱高下しています。

冷静に考えれば、倍率が高かったゼミは避けて倍率が低かったゼミに応募するという行動をみんながとるので、予想外の結果となるのは当たり前なのです(むしろ逆張りが正解!?)。

(3)講義での教員の印象で判断する

講義での教員の印象というものは大きな判断材料となっているようです。
それが間違いとも言えないのですが、一方で、大人数講義と少人数のゼミでは大きく印象が異なる教員もいるようです。
ですので、ゼミ見学や研究室訪問などで、個別のかかわりにおけるその教員の印象というのもおさえておいた方が間違うことが少ないです。

(4)一人のゼミの先輩で判断する

知り合いの先輩から聞いた情報やその先輩の人となりからゼミを決めるという人も多いと思います。
この時、あくまでその人は何人もいるゼミ生の一人であるという点に注意する必要があります。
特に学年合同で行うというめずらしいゼミでなければ、その先輩と活動する機会は少ないはずです。
ゼミナール説明会やゼミ見学で他のゼミの先輩についても見てみるというのが適切かと思います。

(5)学科で選択を狭める

学科で選ぶことは個人的にはお勧めしません。
もちろん一理はあるのですが、学科の違いが決定的なデメリットを生み出すわけでもなさそうです。
もっと積極的な理由でゼミ選択できるといいなと思いますし、選択を狭めた結果良い出会いがなくなってしまうとすれば残念だと思うからです。

(6)曜限で判断する

何曜日の何時間目にゼミがあるか。
これは重要な情報ですし、基本的に変更されることは稀です。
ただし、絶対に変更されないというわけではないという点だけはご注意ください、

Ⅰ.ゼミを一覧する

自分が所属する学部にどのようなゼミがあるのかを把握しましょう
思わぬ見落としを避けることにもなりますし、所属学部の専門分野の全体像を理解することにもつながります。

地域政策学部であれば、大学ウェブページの教員紹介ページやゼミナール白書の目次で専門分野が一覧できます。

Ⅱ.幅広く情報を集める(1年前期~2年前期)

①大学公式の情報を見る

大学公式の情報源として下記のようなものがあります。
内容は様々で重複もありますが、教員のゼミへの熱意やスタンスがわかるかもしれません。
演習のシラバスもありますが、これはあまり参考にならないように思います。

  • ゼミナール白書(ポータルサイト
  • APPROACH(写真付きで読みやすい)
  • 大学ウェブページの各教員の紹介ページにあるゼミナール紹介(例えば、若林の紹介ページ
  • 各ゼミのゼミ生が作ったゼミナールレポート

SNSでフォローする

ゼミ選択の時期になったらリアルタイムな情報を得るためにも各教員や各ゼミのSNSをフォローして情報を得ましょう。専用のアカウントを作る人も多いようです。
ゼミ活動の様子がわかるだけでなく、ゼミ見学、研究室訪問、選考などのゼミ選択に直結する情報が得られます。
あわせて、関連する団体(高崎経済大学地域政策学部では地域政策学部ゼミナール協議会)のアカウントもフォローするとよいです。

Twitterが使われることが多く、インスタをやっている教員・ゼミもあるという感じでしょうか。
すべての教員やゼミがアカウントを作成しているわけではありません。

③専任教員の講義を受ける

1年生と2年前期は、なるべく専任教員の講義を履修するようにした方が良いと思います。
その分野や教員のことがわかるからです。
教員によっては自分の講義を受けていることを重視する教員もいるようです。
(ちなみに、私はあまり重視していません。短い期間なので必修と重なって履修できないこともありますし、ゼミ選択で自分の興味関心をはじめて掘り下げたという学生も多いからです)

ただし、履修できる科目数には限りがありますし、冒頭の注意点に記したように講義の印象の落とし穴もありますので、とらわれすぎないことも大事です。

④先輩から情報を得る

部活・サークル・アルバイトなどの先輩を通じて情報収集をしましょう。
どんなゼミに所属していてどんな活動をしているのかを聞いておくと参考になるはずです。
その先輩の友人が所属しているゼミについても情報が得られたりします。

ここでの注意点は、あくまで一人の意見であるということです。
あるゼミに参加して満足している人もいれば、不満足な人もいます。
ですので、主観的な感想だけでなく客観的事実が何かをおさえることと、複数の情報源を持つことが重要です。

⑤同級生とゼミについて話す

同級生の友人知人ともゼミについて話しておくとよいです。
情報が共有できるほか、人によって異なるゼミ選びの見方や考え方が参考になることもあります。
友人について見に行ったゼミに興味を持って希望したなんてこともままります。

Ⅲ.具体的に行動する(2年前期)

2年前期になると大学その他から情報を受け取るようになりゼミ選びをしなければという雰囲気になるようです。
既に述べたⅠ、Ⅱ(①~⑤)の内容も本格化しつつ、ゼミ(教員・ゼミ生)との接触する機会が出てきます。

⑥大学の公式な情報発信・連絡に注意する

ゼミ選びの時期になると大学・学部の公式な情報発信・連絡ということも増えてくるので、きちんと情報を受け取るようにしましょう。

高崎経済大学地域政策学部でいえば、年度頭の2年生ガイダンスには出席し、ポータルサイトや大学メールによる連絡をきちんと読み、各学科のゼミ情報を発信するチームに必ず参加するということを指します。

⑦希望するゼミを絞り込む

希望するゼミをいくつかに絞り込みましょう。
人によって数は変わると思いますが、ゼミナール説明会、研究室訪問、ゼミ見学などこれから行う活動のことを考えると、現実的な数に絞り込む必要があります。
もちろん、ゼミ選択のプロセスの中で希望が変わることもあります。

なお、初めから1つだけに絞り込むのは得策ではなく、それほど興味がなくても他のゼミも見ておいて第1希望のゼミを相対化して特徴をおさえておくと、希望調査票を書いたり、選考を受けたりする際にも役立つのではないかと思います。

たまに、「〇〇ゼミ一本です」とアピールしてくる学生もいますが、内定辞退ができる就職活動とはシステムが異なるので、そのアピールが魅力的に映るかどうかは微妙なところです。

⑧ゼミナール説明会

地域政策学部ゼミナール協議会が主催する、各ゼミのゼミ生がゼミの説明をしてくれるイベントです。
ゼミ生の雰囲気がよくわかるので、できる限り多くのゼミのブースを見て比較するとよいと思います。
ゼミ選択が本格的にスタートするイベントでもあります。教員主体であったり学生主体であったりは様々ですが、いまは多くの大学・学部でこれに類するものがあるのではないでしょうか(高崎経済大学経済学部では教員によるゼミ説明会があるようです)。

⑨ゼミ見学(オープンゼミ)

ゼミ見学の期間が設けられている場合は、実際にゼミを見学してみましょう。
実際の活動を見ることによって、ゼミというものがイメージしやすくなり、各ゼミの活動や雰囲気がよくわかります。
個人的には、どのようにゼミ希望者候補を迎え入れてくれるかも見どころであると思っています。

なお、公式にゼミ見学の機会がなくても、教員に見学したい旨を連絡すれば、見学させてくれる教員の多いのではないかと思います。

⑩研究室訪問(担当教員との面談)

教員は一つの重要な判断要素だと思うので、気になるゼミについては研究室訪問をしてみましょう。
研究室訪問については下記の記事をご覧ください。

Ⅳ.希望・選考

最終的には希望調査票に志望理由などを書き、場合によっては選考を受けることになります。
このあたりについては、別途書きたいと思います。

⑪希望調査票を書く

⑫選考を受ける

おわりに

ゼミ選びに労力を割く人もそうでない人もいると思います。
必修である場合には、それが足を引っ張ってやらされ感も生じるかもしれません。

とはいえ、ゼミが大学生活に与える影響も少なくないですし、何より自分のことを見つめなおし情報収集・選択する良い実践の機会でもあります。
具体的には、後ろに控えている就職活動の良い予行演習や練習になるというのが私の主張です。
ある時期にほぼ必然的にやらなくてはならないこと、そのために生じるやらされ感といったことも含めてかなり似ている気がします。

悩むことも多いかもしれませんが、ぜひゼミ選択もゼミそのものも楽しんでください。