教員から学生への推薦図書(1人最大3冊)が、大学図書館2階の入口すぐの棚に配架されます。
自分の書いた推薦文が様々なポップで本に付けられて紹介される様はなかなか嬉しいものです。また、他の先生の推薦された本や推薦文も興味深く拝見します。
2014年度に推薦した本は下記の3冊。いろいろ付記したいことはありますが、写真と推薦文のみを掲載します。
高橋伸夫(2002)『できる社員は「やり過ごす」』日本経済新聞出版社.(日経ビジネス人文庫、単行本版は1996年に文春ネスコより刊行)
「やり過ごし」、「尻ぬぐい」、「泥をかぶる」、「見通し」といった日常的な言葉・現象を調査・分析し、これまで気づかれなかった側面に光を当てています。いまとなっては時代にそぐわない面もありますし、僕自身この本の主張に全面的に賛成なわけではないですが、働く場で起きていることの一端を知ることができます。第3章の実録「ある中堅社員の一日」は必見!ちなみに、僕はこの本の第7章を読んでゼミを決めました。
セス・シュルマン(2010)『グラハム・ベル空白の12日間の謎:いま明かされる電話誕生の秘話』日経BP社.
電話を発明したのはグラハム・ベルではなかった!?誰もが当たり前と思っている歴史的な通説を様々な史料をもとに覆していく様子は、よくできた推理小説のようです。また、百年以上前の電話の発明の話と聞くととても遠い世界の話のように思えますが、ベルをはじめとした当時の人物の姿がありありと描かれています。どのようにものごとを示していくかという点でも、とても勉強になる本です。
原研哉(2011)『日本のデザイン:美意識のつくる未来』岩波書店(岩波新書).
日本を代表するデザイナーである原研哉氏の著書。「欲望のエデュケーション」や「美意識は資源である」というような、はっとさせられるような視点や表現が随所にあります。是非、「まえがき」と「序」だけでも読んでみてください。あわせて氏のホームページもオススメです。