教員から学生への推薦図書(1人最大3冊)が、大学図書館2階の入口すぐの棚に配架されます。
自分の書いた推薦文が様々なポップで本に付けられて紹介される様はなかなか嬉しいものです。また、他の先生の推薦された本や推薦文も興味深く拝見します。
2016年度に推薦した本は下記の3冊。いろいろ付記したいことはありますが、写真と推薦文のみを掲載します。
榎本博明(2015)『モチベーションの新法則』日本経済新聞出版社(日経文庫).
誰にでも関係のあるモチベーションというトピックについて、基本的な理論から最新の理論までを、日本人の文化的背景も考慮しながらわかりやすく紹介しています。この本を読むことで、自分自身や周りの人を元気にすることができるかもしれません。
辻中俊樹・櫻井光行(2015)『マーケティングの嘘:団塊シニアと子育てママの真実』新潮社(新潮新書).
刺激的なタイトルの本ですが、おざなりな定量調査は「嘘の消費者像」を抱かせるだけであり、「本当の消費者像」を明らかにするためには筆者らの実施する「生活日記調査」などを用いて生活者の生活をまるごととらえる必要があると主張しています。マーケティングに関する知識や手法も勉強になりますし、当人たちにとっては当たり前でも知らない人にとっては新鮮な驚きのある消費者像が描き出されています。マーケティングに限らず、いかに調査から実態に迫っていくかという点で参考になる本です。ビッグデータが喧伝される時代だからこそ、その活用のために重要となってくる視点かもしれません。
烏賀陽弘道(2005)『Jポップとは何か:巨大化する音楽産業』岩波書店(岩波新書).
普段何気なく聞いている音楽が、どのように作られているのか、時代とともにどのように変遷してきたのかが書かれています。ポピュラー音楽の背後にある商業的な側面を見事に明らかにしており、マーケティング論や産業論の本でもあるといえます。この本が出た後の10年間に、音楽産業にさらに何が起こったのかを考えてみるのもいいかもしれません。